同居家族がいる場合における訪問介護サービス及び介護サービスの生活援助等の取扱いについて


平成19年12月20日付厚生労働省老健局振興課から「介護保険最新情報」として以下の文書が出ました。


同居家族がいる場合における訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスの生活援助等の取り扱いについて



同居家族がいる場合における訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスの生活援助等の取り扱いにつては。自立支援に資する必要なサービスが提供されるという介護保険の基本理念に基づき、従来より下記のとおりの取り扱いとしてきた所であり、厚生労働省としては全会議等を通じて周知を図ってきたところであります。

介護保険においては利用者の状況に応じた適切なケアプランに基づき利用者に必要なサービスが提供されるべきであるところ、一部の市町村においては、一律機械的にサービスに対する介護給付の支給の可否について決定しているとの情報が寄せられている事から、各都道府県におかれましては管下の市町村に対して訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスにおける「同居家族等」については、下記の通り取り扱いである旨を改めて周知を徹底していただくとともに、介護サービス事業者、関係団体、利用者等に対しても幅広く情報提供していただきますようお願いいたします。


  記
T・訪問介護サービスのうち「生活援助」については「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)において「単身の世帯属する利用者または家族若しくは親族(以下「家族等」という。)と同居している利用者であって、当該家族等の障害、疾病等の理由により、当該利用者または当該家族等が家事を行なうことが困難であるもの」にたいして行なわれるものとしており、さらに「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の算定に関する基準及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」平成12年老企第36号)において、「障害、疾病の外障害、疾病、のない場合であっても同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合」に行なわれるとしている。この主旨は同様のやむをえない事情とは障害、疾病の有無に限定されるものではなく、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるというものである。したがって、市町村においては、同居家族の有無のみを判断基準として、一律に介護給付の支給の可否を機械的に判断しないようにされたい。

2・介護予防訪問介護サービスについては「指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防の為の効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第35号)において「利用者が可能な限り、自ら家事等を行なうことが出来るよう配慮すると共に、利用者の家族、地域の住民によえう自主的な取り組み等による支援、他の福祉サービスの利用の可能性についても考慮しなければならない」としているが、上記1と同様に、市町村においては、同居家族等の有無のみを判断基準として、一律に予防給付の支給の可否を機械的に判断するのではなく、個々の利用者の状況に応じて適切に判断されたい。


同居家族がいる場合の生活援助について(横浜市の基本的な考え方)

(1)同居については、世帯構成員(家族)、家族の生活状況、利用者との関係など、さまざまな要件があり、それぞれ個別の要件だけで判断することは望ましくない。
さまざまな視点から検討したうえで、生活の実態や現時点の家族の介護力、場合によっては将来的な介護の考え方などを考慮して総合的に判断すべきである。

(2)その意味からも、十分なアセスメントや担当者会議での検討などが必要になる。

(3)当初作成したケアプランに固執せず、サービス利用にともなう利用者や家族の変化に応じてプランを変更していく柔軟性が求められる。

(4)そのためには、サービス提供前の家族への説明が重要な要素になる。





【回答実例】

1 日中就労の家族がいる場合は、生活援助は算定できないのか。

同居家族がいる場合の生活援助については、サービス担当者会議等を通じて「利用者がその時間にそのサービスを利用する必要性」が認められるのであれば、算定は可能です。

介護者に外出困難な疾病等があり買い物代行が必要であるとか、日中独居であれば、介護者がいない時間帯に食事の調理が必要であるといった状況が想像されますが、「利用者がその時間にそのサービスを利用する必要性」を十分にご検討ください。

※ なお、例として、下記のような場合は算定の対象とならないと考えます。

(1)直接、利用者本人の援助に該当しない買い物や掃除等
(2)同居の家族はいるが、単に家事が苦手である。

手押し車でやっと室内移動ができる利用者が、夫、長男、長女と4人暮らしをしている。身体の痛みが激しく、日中はほとんど居間のソファに横になっている。夜間の排泄のみポータブルトイレを使用している。 夫が主たる介護者で、献身的に介護や家事を行っていたが、疾病によって今までのように介護ができなくなった。 長女は日中就労でほとんど家にいる時間はなく、長男は疾病が原因で失業して、自宅療養中で介護力としては難しい。 このような状況にある利用者から、当該利用者の昼食の調理を希望されているが、訪問介護で対応することは可能か。

ご質問いただいた状況からはほとんど介護力を得られない状況にあると思われますので、算定可能と思われますが、(アセスメントやサービス担当者会議等を活用して)ご検討ください。

ケアプランに位置づける場合には、利用者がその時間にそのサービスを利用する必要性と共に、利用者にとって最適なサービスであるかを担当者会議等を通じて十分に検討してください。

※ 回答の趣旨は「算定可」である。

3 単独歩行不可で認知症のある利用者が娘夫婦と3人暮らしをしている。娘夫婦は日中就労しており、夜も帰宅が遅いため、ほとんど独居に近い状態である。 娘は、平日の夜間や休日も専門機械を自宅に持ち込んで仕事をすることもあり、その間の介護もできない。 訪問介護で、食事介助、排泄介助、失禁後の衣類の下洗い、シーツ交換、調理などを行っているが、このままサービス提供は可能か。

日中独居の利用者の食事に必要な買い物や調理を生活援助として行うような場合は算定可能と考えますが、同居家族との共有部分の掃除を行う場合、真に利用者に対して提供されるべきサービスか、よく検討する必要があります。(今回の質問にある「利用者の排泄介助に伴い、汚れたトイレや床の清掃」は身体介護の排泄介助の一部です。)

ケアプランに位置づける場合には、利用者がその時間にそのサービスを利用する必要性と共に、利用者にとって最適なサービスであるかを担当者会議等を通じて十分に検討してください。

さらに、同居家族が在宅であっても、就労中であれば利用者の介護はできませんので、訪問介護の算定も可能と考えます。

ただし、行われるサービスは利用者に対するサービスであることを十分に説明し、家族の理解を得るようにしてください。

※ 回答の趣旨は「算定可」である。
 身体介護は、同居の家族がいることにより、算定ができなくなるものではありません。

4 生活援助を算定することができる場合は、「利用者が一人暮らし…(中略)…利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合」とされているが、同居の定義を教えて欲しい。

@ 同じ建物(アパートやマンション)で違う階に住んでいる。
A 戸建ての二世帯住宅に住んでいるが、生計は全く別である。
B 同一敷地内の別棟で生活しているが、生計は全く別である。

独居(単身世帯)かどうかは、実際の建物の形状だけでなく、どのような生活形態かも考慮して判断すべきと考えます。

(一つの判断基準としては)建物の中で行き来ができるような形態ではなく、実際の生活も別々の生活実態があり、経済的にも別生計で生活していると認められる場合は、別世帯であると考えられます。


訪問介護の算定上の注意事項

1 訪問介護の間隔を概ね2時間以上とすることについて

平成15 年4月の改正により、在宅介護のサービス提供体制を強化することを目的として、30分未満の身体介護中心型などの単位数が引き上げられました。

訪問介護は、在宅の要介護者等の生活パターンに合わせて行うものであり、単に1 回の長時間の訪問介護を複数回に区分して行うことは適切ではありません。そこで、訪問介護を1 日に複数回算定する場合、算定する時間の間隔を概ね2 時間以上とすると規定されました。

※ この規定は、「身体介護中心型」及び「生活援助中新型」に適用され、通院等乗降介助には適用されません。ただし、利用者の事情(利用者の身体状況や生活実態等)により、短時間の間隔で複数回の訪

問を行う場合は、それぞれの訪問介護の所要時間を合計して1 回の訪問介護として算定することになります。根拠等:介護報酬に係るQ&A (平成15 年5月30 日 厚生労働省老健局老人保健課事務連絡)Q11他

2 所定の要件に満たない訪問介護の合算について

1日において1人の利用者に対して行われる訪問介護が複数回に渡る場合であって、それぞれの所要時間が所定の要件を満たしていない場合には、算定対象となりません。 ただし、複数回に渡る訪問介護が一連のサービス行為とみなすことが可能な場合に限り、それぞれの所要時間を合計して1回のサービス提供とみなして算定することができます。

具体的には、下記の例のようなサービス提供を行った場合、【例1】の(1)及び(3)の生活援助は所要時間が30分未満のため算定対象となりませんが、この場合は(1)〜(3)を一連のサービス行為(通院介助)とみなして合計して1回の訪問介護として算定可能です。

また、【例2】の(2)の生活援助は所要時間が30分未満のため算定対象となりませんが、同様に一連のサービス行為(洗濯)とみなして合計して1回の訪問介護として算定可能です。 根拠等:老企第36号 (平成12年3月1日) 第2の2?

【例1】

  1. (1) 午前にヘルパーが診察券を窓口に提出する。(所要時間30分未満の生活援助)
  2. (2) 昼に通院介助を行う。(所要時間30分以上1時間未満の身体介護)
  3. (3) 午後にヘルパーが薬を受け取りに行く。(所要時間30分未満の生活援助)

【例2】

  1. (1) 午前に洗濯をして干す。(所要時間30分以上1時間未満の生活援助)
  2. (2) 午後に洗濯物を取り込む。(所要時間30分未満の生活援助)





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